わたしは、今はひとりでパソコンを使って仕事をしています。今の働き方にたどり着くまでには、けっこう自分を痛めつけてしまってきたな...と思います
そして当時は、繊細さのない人たちに随分傷つけられてきたように思っていたけれど、自分で勝手に傷ついたことも多かったんだと気付きました
自分だけの空間で
自分のペースで
自由気ままに働けること
誰のことも
他人の声も音も
何も気にすることなく
そして気になることもなく
誰からの視線もなく
評価をされることもないこと
それは、繊細で過敏で傷つきやすく、その上何日もズルズルと引きずってしまう私にとっては本当に幸せな働き方なのだと実感する日々です
常に「上に上に」とキャリアアップを目指して、自分を追い詰めて生きていた日々
本当の自分が望む働き方に気付く前までのわたしは、とにかくキャリアアップすることがすべてだと思って働いていました
当時は看護師だったので、職業柄患者さんのためにより豊富な知識や熟練した技術を身につけることは当然のことかもしれません
でもわたしの心の中にはもうひとつの大きな動機がありました
それは、上にいけばみんなが認めてくれるという考えです
自分で自分を認めてあげることができていなかったわたしは、人が評価をしてくれないと生きられませんでした
人から
「すごい」
「あなたがいてくれるとメリットがある」
と認められていないと生きている実感もなかったですし、評価をしてもらえないと勝手に傷ついていました
ささいなミスをしてしまったり、それを指摘されたりしたら...気にしないようにしようと頭では分かっていても、死んでしまいたいレベルの落ち込みを止められないのです
とにかく、大人でありいい人であること、すごいと思ってもらえる人であること、非のない完璧な人でなければならないと本気で思っていたんです
その上繊細で過敏だったので、人の多さ、何気ない不満顔、トゲの感じられる言葉、不機嫌、無意識でしているだろう雑な所作、それに伴う大きな音、仕事の雑さ...そんなものが目や耳に入ってきた時には、もう大変です
体は拒否反応を発動させ、心も脳も体もフル稼働を始め大忙しです。こちらもイライラしてきてしまいます
特にみんなが集うお昼休憩の、悪意の感じられる雑談タイムなんて地獄の時間でした
もしも不満の対象がわたしに対してだったら、「あぁ、もう死んだほうがいい」と本気で落ち込むと共に、自分が全否定されたようで心底腹が立ってくるのです
逆にひそかに落ち込んでいる人や困っている人も察知してしまうので、見て見ぬふりをできなかったりして結果犠牲を払うことになったりして、面倒に巻き込まれてしまうことなんかもあったり...
わたしはエンパス気質もあり、当時はオフにする術を身に付けていなかったので、いろんな人の感情やら思考やら邪気やらもドバドバ入ってきてしまって、いろんな感情に振り回され最後には誰の感情かも分からないほどに毎日毎日疲れ果てている日々なのでした
繊細さがあっても、ストレスなく生きられるようになった今の働き方
HSPやエンパスの原因は先天性(※)のものありますが、ネグレクトや虐待や機能不全家族のもと育ったことによる愛着障害によって神経系の働きが過敏になってしまう後天性のものも多いそうです
※妊娠中母親が受けたストレスでストレスホルモンが分泌されると、胎盤を通って胎児にもストレスホルモンがさらされ、生まれた子供は神経過敏になる傾向があるとされている
ここ数年でHSPやエンパスに関して取り上げられることも多くなり、自分の身を守る方法や強みに変える具体的な方法なども本やSNSで発信してくれています
わたしの場合も、そういった情報を実践してみたり数年に渡ってカウンセリングを受けてきたお陰で、随分と変われました
自分を客観視できるようになり、自分で自分を認めることや、歪んで身についてしまっていた思考の癖を改善することができたので、傷つくこともぐんと減りました
繊細で過敏な人から見える世界と、そうでない人が見ている世界も違うのだと理解でき、ガサツな人に悪意がないことも分かりました
でも...やっぱりそれでも、わたしにはこの外の世界は刺激が多すぎました
自分の身を守るために繊細さ、過敏さをコントロールすること自体も、かなり疲れたのです
自分の繊細さを自覚してからは、できるだけ受ける刺激を減らそうと転職の度に人が少ない会社を選んできました
給与が減るのは痛かったですが、正社員を辞め、しがらみの少ない派遣社員にもなりました
最終的には2人体制のコールセンターという環境に身を置きました。HSPに関する本などにも載っているように、一緒に働く人が少ないということ、一緒に働く人と話す機会が少ないということは大事なポイントだったようで、3年近く続けることができました
だけど、やっぱり波動の合わない人と何時間も同じ空間で一緒にいるのはドッと疲れるのです...
こういった経緯を経て半ば外で働くことを諦めたと共に、ずっと本当の自分が望んでいた「家でひとりでパソコンで仕事をする」という夢を実現させるに至りました
死に物狂いでやってきた看護師を手放すのには時間がかかりましたが、手放してみて初めて、実は看護師という仕事が苦手だったということ、執着していたということに気付きました
繊細さ、過敏さ、傷つきやすさによる生きづらさ。確かにコントロールする力を身に付けることで強みにもなります。でも、どこまでも自分に原因があるような気がして、あなたがいる職場にひそんでいる違和感すらも自分のせいにしてしまってはいけません
働く場所は自分で決められます
もしも、今の職場の環境が辛くてしょうがない...そんな苦しみの中にいるようであれば、そこはあなたの居場所ではありません
あなたはどんな環境で働きたいたいですか?